テルモグループは、本業を通じて医療の発展・普及に貢献するとともに、事業を展開する地域に根差した社会貢献活動に取り組んでいます。 地域社会の一員として各国のアソシエイト(社員)も参加し、その地域の医療・社会の発展や課題解決を支援しています。
世界各国での献血活動
テルモグループの血液・細胞テクノロジーカンパニーでは、採血に使われる血液バッグや採血装置などを開発・生産し、各国の血液センターに提供しています。また、血液・細胞テクノロジーカンパニーの本部である米国のテルモBCT社を中心に、世界各国でアソシエイトによる献血や、献血を促進する活動にも継続的に取り組み、輸血医療への貢献を目指しています。
米国では、テルモBCT社がBonfils Blood Centerと協力して、コロラド州レイクウッドの工場敷地内で約2カ月ごとに献血活動を実施しています。2017年度は2016年度と比較して13%増に当たる、総計259単位の協力をしました。 また、2014年から、米国のThe National Cesar E. Chavez Blood Drive Challengeに、ヒスパニック・ラテン系コミュニティでの献血率向上を目指した活動を行う学生への奨学金として、1,000米ドルを提供しています。 そのほかにも、開発途上国の医療機関において輸血に関わるサポートをする非営利団体などに、資金や血液バッグなどの製品の提供を行っています。
オフィスでの献血活動(日本)
献血に協力するアソシエイト(米国)
献血率向上に取り組む学生に奨学金を支給
(米国)
若者による献血を促進する活動を支援(インド)
世界献血者デーに協賛し献血を支援(ベトナム)
インドで先天性心疾患の子どもたちの早期診断を支援
スクリーニングキャンプの様子
先天性心疾患(Congenital Heart Disease: CHD)は、生まれつき心臓や心臓周囲の血管の構造に異常がある病気の総称です。インドでは新生児1,000人に対し約9人がCHDであるといわれ、乳児の主な死亡原因の一つとなっていますが、早期に発見されることで約9割が治療可能とされています。インドの子会社であるテルモインディアプライベート社では、バンガロールを拠点とするNGO法人Aishwarya Trustと協力し、子どもたちのCHDを検査で発見するスクリーニングキャンプを支援しています。キャンプにはアソシエイトがボランティアとして参加し、運営を支援するとともに、検査の結果、治療が必要とされた子どもたちへのサポートも行っています。2017年度のキャンプでは、13人の子どもたちがCHDと診断され、治療を受けることができました。
テルモは、2018年8月4日に中学生向けの医療体験プログラム「テルモ・ジュニアメディカルチャレンジ」を、初めて開催しました。このプログラムは、静脈注射やカテーテル手術などの体験を通じて、医療に携わるさまざまな職業への関心を高めてもらい、将来のキャリア選択の一助にしてもらうことを目指した体験型イベントです。病院などの医療環境を再現した施設「テルモメディカルプラネックス」にて、同施設のある神奈川県足柄上郡と近隣地域の中学生を対象に開催しました。
詳細は2018年8月17日付のプレスリリースをご覧ください。
集合写真
カテーテル手術にチャレンジ
TOPICS
「サイエンスカフェ」の様子
当財団は、生命科学分野の技術振興を通じて、人類の医療および健康の向上に寄与することを目的に、1987年にテルモの出捐により設立されました(2012年4月1日より公益財団法人に移行)。 主に生命科学分野の科学技術に関する研究や医療・健康向上の活動などに対する助成事業と、褒賞事業、普及啓発事業の三つの事業を行っています。
普及啓発活動では、2012年より、「東京女子医科大学・早稲田大学連携先端生命医科学研究教育施設(TWIns)」の協力のもと、高校生を対象とした「サイエンスカフェ」を毎年開催しています。 医工連携の最先端施設での生命科学関連の講義や実習などを通じて、再生医療・人工臓器研究の最前線に触れてもらうと同時に、研究者とのコミュニケーションの機会を提供し、将来の進路選択の一助となることを目指しています。 2017年は13県から27人が参加し、アンケートでは、医療をより深く学びたくなったという感想や、研究者の仕事に対して魅力を感じ、将来の進路を考える良い機会となったといったコメントが寄せられました。
日本赤十字社が主催する防災・減災プロジェクトに参加
テルモは日本赤十字社が主催する、未来へつなげる防災・減災プロジェクト「私たちは、忘れない。」*の趣旨に賛同し、2018年より社内外で啓発活動に取り組んでいます。社外では、全国のMR約850人が中心となり、キャンペーン期間中にプロジェクトのバッジを着用して営業活動を行いました。社内では、アソシエイト一人ひとりが「医療を止めない」ために自分ができることは何かを考える機会とすべく、イントラネットで、医療を止めないためにテルモが日頃から行っている取り組みや、東日本大震災以降行ってきた国内外の被災地への支援活動を改めて紹介しました。
日本赤十字社の主催で、東日本大震災から5年を契機に2015年から開始されたプロジェクト。今もなお苦しんでいる被災者の方々へ想いを届けるとともに、これまでの災害で得た教訓や支え合った経験を忘れることなく、将来起こりうる災害に向けた意識の向上を目的としています。
これまでの主な被災地支援
災害 | 義援金 | 寄贈品 | |
---|---|---|---|
東日本大震災 (2011年3月) |
6,610万円 (アソシエイトの義援金3,510万円を含む) |
体温計 | 20,000本 |
血圧計 | 4,000台 | ||
圧迫ストッキング | 12,000足 | ||
栄養食品 | 50,000食 | ||
その他 | 消毒液、マスク等 | ||
フィリピンの台風30号による 被害 (2013年11月) |
300万円 (その他アソシエイトの義援金476万円) |
注射器 | 100,000本 |
輸血セット | 2,000セット | ||
電子体温計 | 2,000本 | ||
その他 | 処置用テープ、傷保護フィルム等 | ||
ネパールの地震被害 (2015年4月) |
200万円 | 血液バッグ | 2,160セット |
輸血セット | 2,500セット | ||
電子血圧計 | 50台 | ||
熊本地震 (2016年4月) |
300万円 (その他アソシエイトの義援金647万円) |
手指消毒剤 | 2,400本 |
救急絆創膏 | 2,000枚 | ||
閉鎖式輸液セット | 4,800セット | ||
電子体温計 | 1,000本 | ||
電子血圧計 | 300台 | ||
血糖測定キット | 100セット | ||
濃厚流動食、タンパク質調整食品など | |||
食品類 | 16,000個 | ||
弾性ストッキング | 2,000足 | ||
転倒予防靴下 | 3,000足 | ||
口腔ケア製品 | 3,000本 など | ||
九州北部地方の豪雨被害 (2017年7月) |
100万円 | ||
プエルトリコのハリケーン 「マリア」の被害 (2017年9月) |
56,000米ドル (赤十字社を通じて) |
シリンジや注射針のセット | 180万本 |
その他 | テルモプエルトリコ社の被災したアソシエイトの生活資金として、テルモアソシエイトから集めた義援金2,896,000円を寄贈 |
EMEA*(ヨーロッパ、中東、アフリカ)での取り組み
ボランティア活動を伝える社内報
EMEA地域を統括する子会社のテルモヨーロッパ社では、地域全体で実施するコーポレートシチズンシッププログラムを設定し、各国・各地域に点在する同社の子会社や拠点ごとの社会貢献活動を推進しています。
アソシエイトのボランティアが「CC(Corporate Citizenship)アンバサダー」として、「地域社会と医療に貢献する」というガイドラインに基づき、各子会社や拠点でそれぞれ独自に活動テーマを設定しています。
* EMEA: Europe, Middle East and Africa
シンガポールでの取り組み
ブースの様子
シンガポールに拠点を置くテルモグループの子会社3社(テルモアジアホールディングス社、テルモシンガポール社、テルモBCTアジア社)は合同で、シンガポールのNPO法人TOUCH Community Services(以下、TOUCH)が主催する「The Giving Family Festival」に参加しました。
このイベントは、特別な助けを必要としている高齢者、恵まれない若者や家族をサポートすることを目的として開催され、現地の企業や団体がそれぞれブースを設けて、参加者に様々なサービスを提供します。 2017年は11月4日、5日の2日間にわたって開催され、テルモは協賛企業として、TOUCHのコミュニティーホームケアナースと協力し、血糖値測定と血圧測定を実施するブースを開設しました。また、ブースでの活動に加えて、アソシエイトの有志がチャリティランにも参加しました。
詳しくはサステナビリティレポートをご覧ください。
テルモグループのサステナビリティ(地域社会への貢献)